音響空間のモデルづくり(長洲ひまわり幼稚園)


「良質な音響環境にこだわった園舎」


地域との関わりを通し子どもたちを育成することを目指し、コンサートホールのような開放的な多目的ホールを中心にして、平静感のあるコミュニティスペースでは静的な交流が図れる、地域と子育ての場となっています。本園の母体となった園では、設立から40年にわたり情操教育に注力してきました。その方針を反映しているのが多目的ホールと保育室の音響設計です。保育施設の音環境の研究をしている熊本大学の協力のもと、低音から高音までバランスのいい残響となる音楽活動に適した音響設計にあたりました。設計時から情操教育に注力している同園の方針を色濃く反映し、より質の高い音楽教育を実現する空間になっています。


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Production story

BACKGROUND

音楽教育に力を注いでいる本園では音響環境にも配慮し、熊本大学大学院建築音響研究室 川井敬二教授 との連携で音響設計を行いました。多目的ホールは2種類の有孔版を用いて響きを低減し、音楽活動に向いたバランスの良い残響に。保育室は、保育士の声が聞き取りやすいよう吸音性の高い天井・壁材を用い、乳児室にはさらに扉を二重にして遮音性を高めています。竣工後には実測を行い、数値的にも効果を確認、データを蓄積しています。この実証実験は〈子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門〉の調査・研究、リサーチ分野でキッズデザイン賞を受賞しました。

DATA

「音響空間のモデルづくり 長洲ひまわり幼稚園」

所在地:熊本県玉名郡長洲町

竣工年:2020年

構造:鉄骨造2階建

敷地面積:3819.63㎡

建築面積:1109.42㎡

延床面積:1982.43㎡

クライアント:学校法人有明中央学園 長洲ひまわり幼稚園

建築設計:ジャクエツ

施工:株式会社小竹組

音響設計協力:川井敬二(熊本大学大学院建築音響研究室教授)

 

2021年度キッズデザイン賞[子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門]受賞


Location:Tamana-gun,Kumamoto
Year:2020
Structure:Steel structure
Total floor area:Two floor
Site area:3819.63㎡
Client:Ariakechuo Gakuen Nagasuhimawari kindergarten
Architectural design:JAKUETS
Construction:Kotakegumi
Cooperation:Keiji Kawai(Graduate School of Architectural acoustics, Kumamoto University )

 

2021 KIDS DESIGN AWARD