遊ぶだけでこどもの体力がアップ?!公園遊具活用の方法とは

January 15th, 2016
PLAY DESIGN LAB
プレイデザインラボ 事務局
昨今、子どもたちの外あそびの時間が減り、体力もどんどん落ちていることがデータで示されている。体力が落ちることで、寝つきが悪い、体力がなく疲れやすい、風邪を引きやすい、外あそびを嫌がる…といった現象がおき、子どもの体力低下に頭を悩ませている保護者が多いと聞く。しかし、体力をあげることは決して難しいことではない。“あそぶだけ”で、子どもの体力はかんたんに向上させることができるのだ。そのひとつの方法は、公園遊具を使った「遊具あそび」である。遊具といってもさまざまな機能やデザインが存在し、それぞれに特徴があるため、その特徴を理解することで子どもたちの成長を保護者がサポートすることができるというのだ。そのような子どもを持つ保護者にぜひ読んでいただきたい一冊がある。講談社より発売している『あそぶだけ!公園遊具で子どもの体力がグングンのびる!』だ。なぜ改めて公園遊具のあそびについて理解する必要があるのか、読むことで子どもの体力向上にどう繋がるのか、プロジェクトに携わった企画スタッフの川口玲さんに話を聞いた。

 

公園遊具を活用するだけで、どこでも・かんたん・安全に、子どもの体力をアップすることができる。


img20160115_03_01

 

─ まず、『あそぶだけ!公園遊具で子どもの体力がグングンのびる!』とはどういった内容の書籍なのでしょうか?

 

公園などによくある、すべり台やジャングルジムといった、固定式の遊具のさまざまなあそび方を紹介した書籍です。遊具はみなさんが子どもの頃から身近なところにあったと思いますが、改めて考えると、遊具を使ってどういうあそび方をするとどのような体力アップにつながるのか、なかなか知らない方が多いのではないかと思います。この書籍では、0歳から6歳までの年齢ごとに適したあそび方と、その運動によって育つ体力を示しています。大人があそび方による体力のつけ方を理解しておくことで、こんな感じで登ってみたら…と子どもたちに声をかけて、遊具のいろんな楽しみ方を知ってもらうことができ、あそびの時間をより有意義なものにすることができます。
近年、社会や生活スタイルの変化によって、子どもたちの外あそびの時間が減り、体力が低下がしていることが問題視されています。そんな中、身近なところにある公園遊具をぜひ活用していただきたいです。最近の公園遊具は、シンプルなものから趣向を凝らしたものまで、子どもたちがたのしめるさまざまな工夫がなされています。

 

― たしかに公園の前を通りかかると、たのしそうな遊具をたくさん目にします。公園遊具をつかった体力アップとは、具体的にどういったことなのでしょうか?

 

たとえば、すべり台は、一般的には階段を登って、そしてななめになった面をすべるという、一口に言えば簡単なあそびですが、登るときには、筋力、バランス感覚が鍛えられます。ほかにも、歌に合わせてテンポ良く登っていけばリズム感が育まれます。また、すべる際には、体勢を維持するための筋力、バランス感覚が育つだけでなく、からだが速い速度で動く中で、とりまく状況を確認して、からだを動かす力が身についてきます。

 

img20160115_03_02

 

― あそび方を工夫することによって、さまざまな体力アップが期待できるのですね。

 

ジャクエツは、園舎から、遊具、家具、子どもたちが使う教材まで、こども環境に関わるすべてのことを100年に渡り取り組んできました。こども環境の未来を考えたとき、遊具の役割はたのしい経験を積み重ねる以外に、あそびを通して体力向上する重要な役割があることに着目しています。単なる筋力アップにとどまらず、幅広い体力について学術的な面から考え、あそびを子どもたちに提供することが、まわりの大人たちの役目だと考えました。そしてこのたび、幼児体育指導の最前線で活躍されている早稲田大学・前橋明教授とのコラボレーションにより、この書籍の出版が実現しました。

 

img20160115_03_03

 

― いろんなあそび方が解説付きで紹介されていれば、読者としてはチャレンジしやすそうですね。

 

子どもとさまざまなあそびに取り組んでいくには、大人の声かけが大切なポイントになってきます。子どもはさまざまなことに興味を示すため、他のことに気がそれてしまったり、危ないあそび方をしようとすることもあります。そんなときにどのような言葉をかけるのが適切か、シーンに合わせてアドバイスを掲載しています。安全な遊具を見分けるポイントも遊具ごとに紹介しているので、保護者にとっては、どのようなことに注意が必要かわかり、遊んでいる子どものそばで落ち着いて見守ることができるのではないのでしょうか。そのほかにも、防犯対策や子どもがけをした際の応急処置の方法など、公園あそびにまつわることについて幅広く解説しています。

 

― こちらの書籍は、一般の保護者だけでなく、幼稚園教諭や保育士の方にとっても役立ちそうですね。

 

まわりとの関係が希薄になった現代社会では、若い大人たちがあそび方を人から教えてもらう機会というのはほとんどなくなりました。自宅では外あそびする時間がない中で、園で過ごす時間の重要性も増しています。そのような状況の中で、現場での指導力が求められる幼稚園教諭や保育士の方にとっても、大変役立つ内容になっていると思いますので、ぜひこの書籍を活用していただきたいです。