Research on children's activities and sleep


子どもの活動・睡眠・生活リズムの実態把握

子どもたちの成長は、よく食べ、よく動き、よく眠るというサイクルによって形成されます。しかしながら、それらがどのように関係しているのか、一連のデータに基づいて実証された研究は多くありません。本調査では、子ども一人ひとりの状況を3Dセンサーを用いて24時間計測し、活動量と睡眠の関係を一元的にとらえることを試みました。


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Production story

BACKGROUND
従来より、子どもたちの「体力低下」や「睡眠時間の減少」、「生活リズムの乱れ」が問題視されています。

要因として、テレビやスマートフォンの普及により、外で遊ぶことが少なくなっていること、移動手段が車やバスで歩く機会が減ったことがあげられ、こうした積み重ねが子どもたちの体力の低下につながっていると考えます。
睡眠については、24時間社会の広がりに伴う夜型化により、遅寝や睡眠時間の減少していると考えます。厚生労働省による乳幼児の睡眠を17ヶ国で比較した調査では、日本の睡眠時間が最も少ないことが報告されています。また、平日の睡眠不足を補うために、休日の起床時刻が平日よりも大幅に遅くなるなど、生活リズムの乱れも懸念されています。
このような社会状況に加えて、近年では、公園でのボールあそびの禁止や子ども用遊具を撤去する自治体の増加、子どもたちの遊ぶ場所や運動機会の減少など、子どもたちを取り巻くあそび環境は、好ましくない方向に変化しています。

INSIGHT
子どもたちにとって、日々の活動(あそび)や睡眠といった一連のサイクルが非常に重要と考えられます。
しかしながら従来の活動量と睡眠の研究は、大人を対象にしたものやアンケートベースのデータが多く、大規模かつ客観的な計測データに基づく活動/睡眠に関する研究は多くありませんでした。

本調査では、幼稚園や保育園に通う子どもの活動・睡眠・生活リズムの実態把握やより良くする施策検討のために、3軸の加速度センサを用いて24時間の連続データを計測し、登園日と休日との比較や、カリキュラム(園の保育記録)と紐づけた分析などを試みました。

SOLUTION
調査内容
本調査は、第一期(2020年7月)から第三期(2021年2月)にかけて実施しました。
それぞれの活動スペース(遊び場の面積)の大小、幼稚園と保育園の違い、首都圏と地方都市の違いなどを設定し、全5箇所の対象園でこれらの状況の違いがどのように影響するかを調査しました。また、保護者への生活アンケートや、園の保育の記録と付き合わせ、自由に遊ぶ時間と、大人が介入して遊ぶ場合などの違いについても観察しました。

HOW IT WORKS
本調査の計測データに基づく分析により、園に通う子どもたちの活動・睡眠・生活習慣の実態を把握することができました。分析結果を大きくまとめると、以下のとおりです。

1. 平日(登園日)は休日と比較し、歩数がおよそ1.1~1.3倍多かった
2. 夜間の主睡眠の長さは年齢による差が小さく、昼寝を含む総睡眠時間は年齢と共に減少していた
3. 平日・休日共に早起きだった幼児は、朝の主体的あそび中の活動量が多かった

本調査の結果からも、現代の子どもたちの生活環境から、体力の低下や睡眠習慣の乱れが懸念され、「保育環境」が全体の生活リズムに大きく影響することが明らかとなりました。また、昨今のコロナ過の影響により、子どもたちを取り巻く生活環境は、今後ますます厳しくなることが予想されます。未来を担う子どもたちの健やかな成長のためにも、今私たちに求められていることは「よりよいあそび環境づくり」です。今後も調査・研究を重ね、具現化し、よりよいあそび環境を実現していきたいと考えています。