2026年10月2日に第20回キッズデザイン賞の授賞式が開催され、ジャクエツが携わった「まちなかの森 もっくる」が、感性・創造性育成部門において「キッズデザイン協議会会長賞」を受賞。また、「かき道ピノキオこども園」もキッズデザイン賞を受賞しました。
さらに、第20回という節目を迎えた今年、ジャクエツは累計100作品を超える受賞実績をたたえる特別表彰「KIDS DESIGN 100 LEGACY AWARD」にも選ばれました。
自然との関わりから生まれるあそび、人と人とのつながりを育む空間。異なるアプローチから子どもたちの可能性を広げる、今年の受賞作品をご紹介します。
自然との出会いが、あそびを生み出す。
「まちなかの森 もっくる」キッズデザイン協議会会長賞
大阪府茨木市の文化・子育て複合施設「おにクル」内にある屋内こども広場「まちなかの森 もっくる」が、キッズデザイン協議会会長賞を受賞しました。岩瀬諒子設計事務所と、株式会社明日香・株式会社ジャクエツが参画する茨木市まち森AJグループによる共同受賞です。
「まちなかの森 もっくる」は、まちの中心にありながら、森の中を探検するような体験ができる屋内あそび場。茨木市の公園再整備で生じた樹木を、その姿をできるだけ生かしながら遊具として取り入れています。木の形や質感に触れ、登ったり、くぐったり、バランスを取ったり。起伏のある地形と多様な遊具が連続する空間では、子どもたちが自らあそびを組み合わせ、思い思いのあそび方を発見していきます。
自然木を遊具として活用するために、樹木の状態や強度を確認し、3Dスキャンによる構造分析や、子どもたちと行うワークショップ、安全検証も実施しました。また、保護者が子どもたちの様子を見守りやすい空間構成や、周囲と調和する落ち着いた色彩にも配慮。子どもたちの冒険を支えながら、親子の自然な交流も育んでいます。
審査では、多様な樹木の遊具が五感を刺激し、子どもたちの主体的なあそびを促す空間構成が評価され、洗練された意匠と機能性を両立し、子どもの創造性を豊かに育む施設である点を高く評価されています。
「見る・見られる」から広がる、子どもたちの世界。
「かき道ピノキオこども園」キッズデザイン賞
長崎県長崎市の「かき道ピノキオこども園」は、既存園舎の再生を通じて、子どもたちの社会性や主体性を育む環境を実現した作品です。こちらは、ジャクエツが株式会社四次元と共同で設計を手がけ、園を運営する社会福祉法人正道会とともに受賞しました。
従来の園舎では、0・1歳児と2~5歳児が別々の敷地で過ごしていました。そのため、子どもたちと関わる大人や異年齢の子ども同士の交流が限られがちでしたが、今回の計画では、全園児が同じ敷地で過ごせる環境を整えるとともに「見守る目を増やす」ことをテーマに、園舎全体の動線と空間構成を再編しました。
園舎の中心には、0〜5歳児の保育室や園庭、エントランスなどを360度見渡せる「見守るベース」を配置。子どもたちの様子をさまざまな場所から感じ取ることができる、開かれた空間をつくりました。保育室単位で閉じるのではなく、子どもたちの気配や活動が園舎全体へと広がる構成にすることで、先生同士はもちろん、異年齢の子どもたちや職員との偶発的な関わりが生まれています。改修後は、異なる年齢の子ども同士の関わりが広がり、教えたり、教えられたりする姿が見られるようになりました。また、先生同士が自然に助け合い、補い合う関係も育まれています。
建築のあり方を見直すことで、人と人との関係性まで変えていく。
「かき道ピノキオこども園」は、園舎を単なる保育の場ではなく、子どもたちが社会と出会い、ともに育つ環境として再生したプロジェクトです。
100作品を超える、キッズデザインの歩み。
「KIDS DESIGN 100 LEGACY AWARD」特別表彰
さらに今年、ジャクエツは「KIDS DESIGN 100 LEGACY AWARD」の特別表彰を受けました。これは、キッズデザイン賞の累計受賞作品数が100作品を超えた企業・団体を対象に、長年にわたるキッズデザインの普及・推進への貢献をたたえる特別表彰です。
遊具やプロダクト、園舎、公共空間など、ジャクエツが取り組んできたデザインの領域は多岐にわたります。一つひとつの作品に共通しているのは、子どもたちの視点から環境を見つめ、あそびや育ちの可能性を広げようとする姿勢です。
子どもたちが夢中になれるものは何か。自ら考え、試し、発見する喜びを、どうすれば生み出せるのか。そうした問いに向き合い続けてきた取り組みが、100作品を超える受賞という節目につながりました。
授賞式では、「KIDS DESIGN 100 LEGACY AWARD」の表彰に際し、株式会社ジャクエツ 執行役員の澤村宏が登壇しました。
澤村は受賞の喜びとともに、子どもたちの安全・安心な環境づくりに取り組んできたジャクエツの歩みについて語りました。「子どものための環境づくりが、地域や社会の課題解決につながっていく」そうした信念のもとで続けてきた地道な活動が評価されたことへの感謝を述べ、今後も遊具や製品の開発を通じて、あそびで人と街がつながる、より豊かな「共遊空間」づくりを進めていく決意を伝えました。
今回の特別表彰は、これまでの歩みを振り返るとともに、これからのデザインの可能性を改めて考える機会となりました。
あそびの、その先へ。
自然との出会いから新しいあそびが生まれる「まちなかの森 もっくる」。人と人との関わりを育む「かき道ピノキオこども園」。
アプローチは異なっても、どちらも子どもたちが自らの可能性を広げていくための共遊空間づくりです。100作品を超える受賞は、ひとつの到達点であると同時に、これからの挑戦への新たな出発点でもあります。
PLAY DESIGN LABはこれからも、建築、ランドスケープ、プロダクトなど、さまざまな領域を横断しながら、子どもたちの感性と創造性を育み、一人ひとりの可能性を広げるあそびの環境を探求していきます。
「まちなかの森 もっくる」キッズデザイン協議会会長賞 受賞
左から 株式会社明日香 萩野吉俗氏、岩瀬諒子氏、株式会社ジャクエツ 澤村宏