ドイツ国際玩具見本市「シュピールヴァーレンメッセ」初出展

March 31st, 2026
PLAY DESIGN LAB
プレイデザインラボ 事務局
2026年1月27日から31日まで、ドイツ・ニュルンベルク展示センターにて、世界最大級の国際玩具見本市「第75回シュピールヴァーレンメッセ」が開催された。あそび空間を手掛けるジャクエツは、日本で60年以上親しまれてきた商品である「Bブロック」をはじめとしたプロダクトを初出展した。

 

会場入口の様子。75周年を記念した展示が来場者を迎えた。



75周年を迎えた「シュピールヴァーレンメッセ」


1950年から続くシュピールヴァーレンメッセは、今年で75周年を迎えた。世界各地の多種多様なプロダクトと出会えるだけでなく、業界の最新トレンドや新たなビジネス視点、業界知識、市場動向を得られる国際的なプラットフォームとして、各国からメーカー、バイヤー、メディアが集う。今年は大雪に見舞われる天候のなか、68か国から2,313社が出展し、121か国から約58,900人が来場した。 会場は、①Lifestyle Products(ライフスタイル)、②Dolls, Soft Toys(人形・ぬいぐるみ)、③Baby and Infant Articles(ベビー・幼児用品)、④Wooden Toys, Toys made from Natural Materials(木製玩具・天然素材玩具)、⑤School Articles, Stationery, Creative Design(学校用品・文具・クリエイティブデザイン)、⑥Technical Toys, Educational Toys, Action Toys(テクニカルトイ・知育玩具・アクショントイ)、⑦Electronic Toys(電子玩具)、⑧Model Railways and Model Construction(鉄道模型・模型)、⑨Sports, Leisure, Outdoor(スポーツ・レジャー・アウトドア)、⑩Festive Articles, Carnival and Fireworks(お祭り用品・カーニバルと花火)、⑪Games, Books, Learning and Experimenting(ゲーム・書籍・学習と実験)、⑫Services for Trade and Industry(貿易と産業向けサービス)、⑬Multi-Product Group(多品種グループ)の13カテゴリーに分かれている。

 

1ホール分の会場風景。 展示会場全体は約12ホールに及ぶ。数日間を通しても、すべてを視察することが難しいほどの規模を誇る。


 

記念すべき初出展


これまでジャクエツは、海外メーカーの動向把握や商品探索を目的に訪れてきたが、今回は初めて自社ブースとしての出展を行った。 展示では、発売から60周年を迎えた「Bブロック」を中心に、「Bブロック ロードビルディング」「キングブロック モダン」「ゲームボックス」などが紹介された。


ジャクエツ出展ブース。
展示されているプロダクトは、長年にわたり世代を超えて使われ、遊び方や使い方によって新たな価値を生み出す。


 

断面がBの字の形をしていることから名付けられた「Bブロック」は、1966年に誕生し、発売以来、日本では世代を超えて親しまれてきた。



Bのかたちはそのままに、60年の間で、カラーバリエーションはより豊かになり、ジョイントパーツやベースの活用によって、より立体的な表現がしやすくなるなど、進化し続けている。


カラーには、日本らしい落ち着いたアースカラーに加え、英国の現代アートを牽引したアーティストとのコラボレーションによる色彩も取り入れている。多彩なカラーバリエーションによって、表現の幅が広がり、思い描いたものをより自在にかたちにできるようになった。


さらに、ジョイントパーツやベースを組み合わせることで、より一層ダイナミックなあそびも実現している。


今回のブースでは、来場者にプロダクトの価値をより深く伝えるための工夫が随所に見られた。日本ならではの春夏秋冬を表現した壁面展示や、キングブロックによるハウスの構成など、視覚的に印象に残る空間づくりが施され、遠くからでも目を引く設計となっていた。 手先の遊びを超え、空間全体をかたちづくるあそびへも発展することを示した。


Bブロック アクティブ


Bブロック ロードビルディング


キングブロック モダン


実際に手に取って遊ぶことができる体験型の展示とし、Bブロックの自由な組み立てやロードビルディングの動きの面白さを体感できるブースである。来場者が主体的に関わることで、プロダクトへの理解が深まり、魅力を実感できる展示となっていた。


来場者は、壁面のBブロックに触れたり、ロードビルディングのボールを転がしたり、写真を撮影したりと、それぞれの楽しみ方で展示を体験していた。ジャクエツの110年の歩みや、Bブロックの60年の歴史に驚きの声が上がる一方で、製品そのものの面白さに自然と笑顔が広がる様子も見られた。シンプルな形でありながら、多様なあそびへと展開する点にも関心が集まり、ものづくりのクオリティの高さを高く評価する声が多く寄せられた。


出展にあたっては、欧州玩具安全規格(EN71)に基づく安全性の確認や、地域ごとの流通要件の整理が行われた。こうした準備は、展示にとどまらず、今後の海外展開を見据えた基盤づくりにもつながっている。 今回の出展により、ヨーロッパのみならず、アフリカやアジアなど多様な地域からの来場者との新たな接点が生まれた。


 

世界のあそびが集う場所


会場全体としては、従来から見られるサステナビリティやSTEAMの展示に加え、AI関連の展示が一段と増加していた点が今年の特徴といえる。入口エリアでは、AIを活用した遊びや学びの提案と、創造性や手仕事の価値に着目したトレンドが提示され、来場者の関心を集めていた。


入り口エリアにある、2026年のトレンドを発信するブース。


 

キダルト向けの製品展示。


また、キダルト市場は着実に広がりを見せており、製品に触れながら意見を交わす場面も多く見受けられ、成長分野としての注目が高まっている。
※ キダルトとは「キッズ」と「アダルト」をかけ合わせた言葉で、「子どものような心を持った大人」を意味する。

さらに会場内では、講演や交流の機会を通じて、デジタル化やサステナビリティなど幅広いテーマについての知見が共有された。国境や文化を越えて多様な人々が集うこの場では、今年も、商談を超えた「交流」や「発見」が生まれた。シュピールヴァーレンメッセは、単なる製品展示の場にとどまらず、「あそび」の価値そのものを改めて見つめ直す機会となった。

 

 
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