Kepler、Kepler Tower


身体を巧みにつかって、世界を広げる


Keplerシリーズは、400mハードルの日本記録保持者のアスリート 為末 大氏の監修により開発された遊具です。周囲の環境や状況を感じ取り自分の体を連動させて調整する力「巧みさ」に着目し、あそびながら、体幹、タイミング、空間認知力といった運動能力を養います。変化が絶えない現代社会に対して臨機応変に対応し、自らの未来を切り拓く力をもたらします。


Dai Tamesue
CEO, Deportare Partners

1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2024年2月現在)。現在はスポーツ事業を行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』を通じて、人間の熟達について探求する。その他、主な著作は『Winning Alone』『諦める力』など。

Images

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Production story

BACKGROUND

新型コロナウイルスの蔓延により、私たちの暮らしや価値観は大きな変容を迎えることになりました。感染拡大防止の観点から、園庭の利用が禁止されたり一部の公園が封鎖されたり、子どもたちのあそびにも多大な影響を及ぼしました。そしてコロナ禍以降、子どもの運動不足、体力の低下が懸念されています。体力や基礎能力を育む遊具が求められるなか、元アスリートで PLAY DESIGN LABフェロー 為末 大氏の監修により、あそびで体の使い方が巧みになる遊具「Keplerシリーズ」が誕生しました。

INSIGHT

「強くしなやかな体幹をつくる。体をさまざまな方向に回転させる。全身を使って弾む。運動が巧みになる基礎はこの3つにあると考え、子どもたちが自由に遊ぶ中でこの能力が自然と身につくことは出来ないかと考えました。Kepler Towerでは、一番下の遊具で子どもたちがぐるぐる走り回ることで体幹が鍛えられ、体を捻りながら上がっていく遊具を上部に設置し、全身を使って弾みながら周回できるようにしました。」

為末 大氏 コメントより

SOLUTION

為末氏の提言する「巧みさ」とは、自身の体と周囲の環境、さらには重心や遠心力といった物理法則のような目に見えない力まで含めて、バランスを取ろうと自分の体を連動させ、調整することです。左右非対称に設計されたスラロームは、シンプルな形状でありながら、斜面の角度の違いがスピードの強弱を生み、ぐるぐると回転することで体幹が鍛えられます。ネットとロープで構成された空間は、体を捻りながら不安定な場所を歩くことで、バランス感覚が養われます。適切なところに力が掛かり、適度に脱力している。遊んでいるうちに自らの体が環境に適応できるように調整する力「巧みさ」が身に付いていきます。

HOW IT WORKS

「Kepler(ケプラー)」という名前は、ドイツの天体物理学者 ヨハネス・ケプラーが由来となっています。子どもたちが二重スラロームでぐるぐると走り回る様子は、惑星の周回運動さながら。観察や検証といったさまざまな実体験から理論が体系化されていくように、あそびの中での試行錯誤が、自分なりの答えを見出す力を生み、それは次の新しい学びへとつながっていきます。「巧みさ」は、運動パフォーマンス向上に寄与するだけでなく、予測不可能な現代社会を臨機応変に生き抜き、未来を切り拓く土台となるのです。

 

Kepler

サイズ:3270×3100×H630mm
材質:FRP/鉄

KeplerTower

サイズ:15440×6700×H5400mm
材質:鉄/木/ポリカーボネイト

2023 KIDS DESIGN AWARD